2025.12.09
新年の和風庭園整備|青竹の交換・掛けひ・栞戸(しおりど)の意味と伝統を解説
新年に向けた和風庭園整備と青竹の文化
新年を迎えるにあたり、和風庭園では“青竹”を使った竹製品を新しくする文化があります。掛けひ(筧)、栞戸(しおりど)、結界など、竹で作られる多くの庭飾りは、時間とともに色が抜け、風合いが変わっていきます。そのため、新しい年の訪れとともに綺麗な青竹へ取り替えることは、清浄と再生を象徴する日本ならではの美しい習慣です。
なぜ新年に「青竹」を取り替えるのか
日本には古くから「新しい年を新しいものと迎える」という文化があり、庭の竹製品もその一つです。
青竹は“新しさ”と“清浄”の象徴
青竹とは、自然の状態の竹が持つ鮮やかな緑色のこと。
日本ではこの緑色を「青」と表現し、青竹は生命力や清らかさの象徴とされてきました。
時間が経つと青竹は枯れ色に変わるため、新年には再び青々とした竹へ交換します。
庭を整えることで一年の節目を迎える
青竹への交換は見た目が美しくなるだけでなく、気持ちをリセットする
空間を清める新しい運気を迎えるといった意味も込められています。
特に茶室や純和風庭園を持つ家庭、寺院、料亭などでは大切に守られている習慣です。
交換される主な竹製品
庭で使われる竹製品には、季節や文化を象徴するものが多数あります。
・掛けひ(筧)
水が「ピロロロ…」と流れ落ちるあの趣ある竹樋。
青竹で作られることが多く、庭の雰囲気を象徴する存在です。
色が抜けると印象が大きく変わるため、新年に合わせて交換される代表的な竹製品です。
・栞戸(しおりど)
竹で作られた簡易的な扉。
和の庭の入り口や区切りとして使われ、こちらも青竹で作ることで凛とした印象になります。
・結界(けっかい)
茶室や庭の一角に置かれる、侵入できる範囲を示す竹の置物。
シンプルですが和の雰囲気づくりには欠かせません。
青竹の結界はとても清々しく、新年の空気にぴったりです。
どんな場所で青竹交換が行われている?
和風庭園を持つご家庭では、毎年交換される方も多く、気軽に取り入れられる年中行事になっています。
取り替えは職人へ依頼することもできますし、製品だけ購入してご自身で交換することも可能です。
特に純和風庭園がある場所では、青竹の交換は欠かせない作業です。
訪れる人を迎える“空気づくり”の一環として、丁寧に整えられます。
竹製品そのものは高価ではないため、
・製品購入のみ
・交換作業の依頼
など、希望に合わせて柔軟に選べるのが魅力です。
青竹交換を行う際のポイント
新年の交換を検討する際は、以下の点が役立ちます。
・設置場所に合ったサイズ・仕様を選ぶ
掛けひや栞戸は設置場所によって適切なサイズが変わります。
庭全体のデザインや動線も意識すると、美しく収まります。
・自然素材ならではの風合いを楽しむ
青竹は時間とともに色が変化します。
その変化も含めて“和の時間”として楽しむのが本来の美意識です。
青竹で迎える新しい年
青竹交換は、和風庭園ならではの美しいお正月の習慣です。
鮮やかな青い竹は庭に新しい気を吹き込み、清々しい一年のスタートを象徴します。
もし和の庭をお持ちであれば、季節の節目としてぜひ取り入れてみてください。